病院で発砲、一時立てこもり　医師ら２人けが、８６歳男を逮捕―女性２人は無事・埼玉

　３１日午後１時１５分ごろ、埼玉県戸田市本町の戸田中央総合病院で、発砲音がしたと１１０番があった。県警によると、４０代の男性医師と６０代の男性患者がけがをしたが、命に別条はないという。拳銃のようなものを持った男が逃走し、近くの蕨郵便局（同県蕨市）に立てこもったが、午後１０時２０分ごろに捜査員が突入し、身柄を確保。人質強要処罰法違反容疑で逮捕した。取り残されていた女性２人は無事だった。

住宅街に響く大きな音　「怖い」「早く解決を」―郵便局立てこもり・埼玉

　逮捕されたのは戸田市に住む職業不詳、鈴木常雄容疑者（８６）。容疑を認め、戸田中央総合病院への発砲と自宅アパートへの放火についても関与を認めているという。現場で拳銃のようなもの１丁が押収された。

　県警や戸田市によると、黒色のジャンパーのような服を着た鈴木容疑者は病院からバイクで逃走。郵便局員からは午後２時１５分ごろ、「拳銃を持っている男が来ている」と１１０番があった。取り残されていたのは２０代と３０代の職員で、２０代の女性が解放された後、３０代の女性も逃げ出して無事だった。郵便局でも発砲音がしたとの情報があり、県警は近隣住民に避難を呼び掛けていた。

　病院はＪＲ戸田公園駅から北東に約４００メートルの住宅地に、郵便局は病院から北に１．５キロほど離れた場所にある。捜査関係者によると、警視庁捜査１課の特殊捜査班（ＳＩＴ）も出動し、周辺には多数の警察官が配置された。

　病院の北西１キロ余りの戸田市内では３１日午後１時ごろ、鈴木容疑者が住んでいるアパートで火災が発生。県警が詳しく調べる。

　戸田市教育委員会によると、市内の小中学校計１８校では一時、児童生徒が校舎内に待機し、午後４時すぎに教員が引率して集団下校したという。蕨市も小中学校で集団下校するなどの対応を取った。