図解
※記事などの内容は2017年2月14日掲載時のものです
小中学校の次期学習指導要領は2020年度以降に全面実施されるが、18年度からの移行期間に学校の判断で先行実施できるほか、文部科学省が前倒しを求める最低限の内容が告示され、全児童・生徒が学ぶことになる見通しだ。現場の負担増を不安視する教員は多い。
小学校は3~6年で英語の授業が週1こま(45分)増える。他にもプログラミング教育などが新たに盛り込まれるが、授業時間が削減される教科はない。
山梨県内の公立小の男性教諭(47)は「社会のニーズに合わせた教育を進めるのはいいことだが、今も保護者対応などに追われている教員がさらに忙しくなるのは否めない」と話す。また、学習内容や授業時間が増えることで「子どもたちにとっても負担になるのではないか」と心配する。
兵庫県内の公立小の男性教諭(26)も「教員がさらに多忙化し、英語などの能力もこれまで以上に求められるようになると、志望する人が減っていくのではないか」と懸念する。
文科省が次期指導要領で打ち出す「社会に開かれた教育課程の実現」について、大橋明・全国連合小学校長会長(60)は「学校が教育目標や教育課程編成の基本方針を家庭や地域と共有することは大切だ」と評価する。
一方、小5、6で増える週1こま分について、文科省は15分程度に分割したり、土曜や夏休みに行ったりするなどの案を示しているが、大橋氏は「どれを選んでも課題はある」と話す。15分授業の場合、児童が私語などをやめて落ち着くまでに5分かかる学級では、10分しか残らない。
いずれも児童の負担や生活リズムなどを考慮する必要があり、「子どもの実態に合わせた設定をし、地域や家庭の理解を得ることが重要になる」と話している。
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