玉木雄一郎・民進党幹事長代理
 政界インタビュー

「思考停止の対米依存」を懸念

 インタビューに答える玉木雄一郎氏=2017年2月撮影【時事通信社】

 インタビューに答える玉木雄一郎氏=2017年2月撮影【時事通信社】

 日米首脳の蜜月をアピールした先の首脳会談について、野党からは安倍晋三首相に対して対米追従姿勢への批判や懸念が相次いだ。米国のトランプ政権への対応などについて、衆院予算委員会などで安倍政権を追及している民進党の玉木雄一郎幹事長代理の見解を聞いた。

トランプ氏の術中にはまった?

 ─2月の日米首脳会談をどう評価するか。

 比較的早い段階でトランプ大統領に会い、日米首脳が率直に意見交換したことは良かったと思う。しかし、内外でトランプ氏への批判が相次いでおり、首脳会談後にフリン大統領補佐官(国家安全保障担当)が辞任に追い込まれるなど、トランプ政権の方向性が固まらない中、日米首脳が間合いを詰め過ぎたのではないかという懸念もある。こういう懸念は日本国内ではむしろ少なくて、米国を含む海外の方がより多いので、気を付けないといけない。

 外交・安全保障関係で言えば、沖縄県・尖閣諸島が(米国の日本防衛義務を定めた)日米安全保障条約第5条の適用対象になることが共同声明に明記されたのは良かったと思うが、これまで同様の当たり前のことを確認したにすぎない。

 在日米軍駐留経費の問題にしても、当初、大統領選期間中に(トランプ氏から)増額をふっかけられたような発言があり、日米首脳会談では何も言われなかったので、今までと同じ状況なのに、日本は何かものすごく得をしたような気分になっている。

 そう見ると、既にトランプ氏の術中にはまっているのではないかとさえ思える。日米はやっとスタートラインに立っただけで、具体的な交渉はこれからなのに、安倍首相もメディアもまるで「トランプマジック」に掛かったかのようだ。

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