けっぱれ、三陸鉄道

応援ツアーに参加

 三陸鉄道(岩手県宮古市、愛称「三鉄」)が奮闘を続けている。2011年3月11日に起きた東日本大震災でレールや橋脚、駅舎が流され、壊滅的な被害を受けたが、「地域社会の維持には鉄道の存続が欠かせない」と社員一丸となって再生に取り組んできた。

 復旧作業はどの程度進んだのか。旅行大手JTBが8月下旬、三陸鉄道の被災状況視察と「奇跡の車両」清掃を組み合わせたユニークなボランティアツアーを企画していると知り、参加してきた。(時事通信社記者 新井佳文)

◇レール、跡形なく

 三陸鉄道は北リアス線(宮古~久慈の16駅、71.0キロ)と南リアス線(盛~釜石の10駅、36.6キロ)に分かれ、岩手県内の三陸海岸沿いを縫うように走る。長いトンネルを抜けると、切り立った崖やリアス式海岸の絶景が、ぱっと現れる。レトロ調やお座敷など車両ラインアップも多彩で、東北を代表するローカル列車の一つとして知られていた。

 今回の大津波では、魅力だったはずの海への近さが逆にあだとなり、甚大な被害を受けた。その一つ、北リアス線の島越(しまのこし)駅を訪れた。バスを降りると、ツアー参加者から「駅もレールも何もない」と悲痛な声が上がった。

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